「手って不思議だよね。
その時の感情も温度も、伝わっちゃうから」
「そうだね。本当にさ。」
私はそのスイッチに少しビックリしていた。
そこに"初めて"が、それほどたくさんあったのだ。
だからその時の手が、もう「他人の手」になってしまっている事にも、すぐに気付いた。
しばらく握りあった時に、暖かいような温度が上がってきた。
「ありがとうを伝えてくれてるの?」
あの人は閉じていた目を静かに開けた。
「そうだね。どうして分かったの?」
かさぶたを掻いたら血が出るように、
苦しくて苦しくて、雷雨の中、外で転げ回った。ライブへ向かう機材はびしょ濡れ。
きっと音楽の神様に試された日だった。
「もう他人の手みたい。
だけど不思議だよね。この手を繋いでいれば、またどこまででも行かれる気がするんだから。」
~その手の中で、『もっと肩の力を抜いて生きよう』、と何度つぶやいてみたことだっただろう。~
ありがとう。
出会えてから、何年も戦ってきたライブでの息の苦しさが、突然無くなった。
それから。
本当にやりたいこと。
世界に出て音楽で笑うこと。それを再確認させてもらった。
出会えた事に感謝を持つ証として、私は私の人生を生きていると胸をはる
もう5日も同じ服だ。
痩せ細ったお腹は、ベルトの穴の最小でも足りなくなっていた。
私は私であって、私でしかない
はず。
ようこそニューワールドへ。
特別に行かせて。
助けられた友達に心からお礼を伝えよう。
追記
私は、自分年表みたいなのを付けていて、決して通りすぎて忘れてしまわないように刻み付けておこうと、見たもの、会った人、行った場所、転機、、なるべく細かくを書き記しているのだけど(以外と忘れるものなのです!)、
本当に珍しく、ひとつの場所にとどまる事を望み、あまり他の誰とも遊ばず、大きな買い物もしないような半年間だった。
愛情表現って、いろいろあってね。
